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Vol.10
隠れ肥満とは?BMIは正常でも危険な状態を医師が解説
公開日:2026.04.11 / 更新日:2026.04.11
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健康診断で「BMIは正常範囲です」と言われた一方で、コレステロール値や血糖値、腹囲について指摘を受けた経験はありませんか。周囲からは「細い」「標準体型」と見られているのに、なぜか疲れやすい、お腹まわりだけが気になる──こうしたギャップの背景にあるのが「隠れ肥満」です。
隠れ肥満は、見た目や体重だけでは気づきにくく、放置するとメタボリックシンドロームや生活習慣病のリスクを静かに高めていきます。本記事では、五反田・不動前でパーソナルトレーニングを行うsazanamiの医師監修のもと、隠れ肥満の定義・診断基準・健康リスク・改善方法まで、公的機関の情報に基づいて解説します。
[ この記事でわかること ]
- 隠れ肥満の正体
- 自分が隠れ肥満かを判断する3つの指標
- 隠れ肥満を放置するとどうなるか
- 隠れ肥満の4つの主な原因
- 自宅でできる改善エクササイズ5選
- パーソナルトレーニングという選択肢
1. 隠れ肥満とは何か──「見た目は普通」でも油断できない状態
1.1. 隠れ肥満の定義
隠れ肥満とは、BMI(体格指数)は正常範囲内にあるにもかかわらず、体脂肪率が標準を超えて高い状態を指します。一般的には、BMIが25未満で「やせ」または「普通体重」と判定されているにもかかわらず、体脂肪率が男性で25%以上、女性で30%以上ある場合に、隠れ肥満と呼ばれます。
体重計の数字や見た目ではスリムに見えるため、本人も周囲も問題に気づきにくいのが特徴です。しかし実態は、筋肉量が少なく脂肪量が多い「脂肪優位」の身体であり、健康面では明らかな肥満と同じか、それ以上のリスクを抱えていることも少なくありません。
1.2. なぜ「隠れ」なのか──見た目では気づけない理由
BMIは身長と体重から機械的に算出される指標であり、体組成(筋肉量と脂肪量の比率)までは区別できません。同じ体重60kgでも、筋肉がしっかりついている人と、筋肉が少なく脂肪ばかりの人では、健康リスクが大きく異なります。
BMIだけを健康の基準にしていると、「痩せて見えるのに実は脂肪過多」というケースは見落とされてしまいます。これが「隠れ」肥満と呼ばれる所以です。
特に、内臓のまわりに脂肪が溜まる内臓脂肪型肥満は、外見からもっとも判別しづらい肥満のタイプです。ウエストのくびれや手足は細いまま、お腹まわりだけが少しぽっこりしている──こうした体型の方は要注意です。
1.3. サルコペニア肥満との違いと共通点
似た言葉に「サルコペニア肥満」があります。
これは加齢にともなう筋肉量・筋力の減少(サルコペニア)と、脂肪の増加が同時に起きている状態を指します。
隠れ肥満は若年〜中年層でも起こり得る「体脂肪率の高さ」に着目した概念で、サルコペニア肥満は主に高齢者における「筋肉減少+肥満」の併発に着目します。
ただし、両者とも「筋肉が少なく脂肪が多い」という身体の構造は共通しており、隠れ肥満を放置したまま年齢を重ねると、サルコペニア肥満へと進行する危険があります。
2. 隠れ肥満のチェック方法──3つの指標で確認する

隠れ肥満かどうかは、感覚ではなく数値で判断することが大切です。
以下の3つの指標を押さえておきましょう。
2.1. BMI(体重と身長のバランス)
BMIは以下の計算式で求めます。
> BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
日本肥満学会では、BMI18.5以上25未満を「普通体重」、25以上を「肥満」と定義しています([厚生労働省 e-ヘルスネット「肥満と健康」]。
ただしBMIが25未満でも、体脂肪率が高ければ隠れ肥満を疑う必要があります。
2.2. 体脂肪率(男性25%・女性30%以上が目安)
体脂肪率は、体重に占める脂肪の割合を示す指標です。健康リスクが高まるとされる一般的な目安は、以下のとおりです。
– 男性:25%以上
– 女性:30%以上
家庭用の体組成計は、立ち方や水分状態によって数値が変動します。
しかし、毎日同じ時間・同じ条件(起床後・排尿後など)で測定すれば、数値のトレンドとして十分参考になります。
1日単位の変動よりも、1週間〜1ヶ月単位の平均値で判断するのがコツです。
2.3. ウエスト周囲径(男性85cm・女性90cm以上)
内臓脂肪の蓄積を簡易的に評価する指標が、臍(へそ)の高さで測るウエスト周囲径です。
日本肥満学会の基準では、男性85cm以上、女性90cm以上で内臓脂肪型肥満が疑われます。
これは腹部CT検査での内臓脂肪面積100cm²に相当する数値であり、日本人のデータに基づいて設定されています([公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット「腹囲の基準は、なぜ85cm?」]。
2.4. セルフチェックリスト
以下に3つ以上当てはまる場合は、隠れ肥満の可能性があります。
- BMIは正常範囲内(18.5〜25未満)
- 体脂肪率が男性25%、女性30%を超えている
- 立った姿勢でお腹だけがぽっこりと出ている
- ウエスト周囲径が男性85cm・女性90cmを超えている
- 過去に無理な食事制限ダイエットを繰り返してきた
- 運動習慣がほとんどない
- 健康診断で血糖値・コレステロール値・中性脂肪のいずれかを指摘された
気になる項目があれば、まずは体組成計とメジャーで現状を把握することから始めましょう。
3. 隠れ肥満が引き起こす健康リスク
隠れ肥満の本当の怖さは、見た目にはわからないまま、生活習慣病のリスクを静かに高めていく点にあります。
3.1. メタボリックシンドロームの温床になる
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪の蓄積をベースに、高血圧・高血糖・脂質異常のうち2つ以上を合併した状態を指します。日本の診断基準は以下のとおりです([厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドローム」]。
必須項目:ウエスト周囲径 男性85cm以上/女性90cm以上
加えて、以下のうち2項目以上に該当
- 中性脂肪150mg/dL以上、または HDLコレステロール40mg/dL未満
- 収縮期血圧130mmHg以上、または 拡張期血圧85mmHg以上
- 空腹時血糖110mg/dL以上
隠れ肥満はBMIが正常でも、ウエスト周囲径が基準を超えやすい状態です。BMIだけを見ていると見逃されがちですが、実際にはメタボリックシンドロームの起点になり得ます。
3.2. 糖尿病・脂質異常症・高血圧のリスク
内臓脂肪からは、アディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質が分泌されます。
内臓脂肪が過剰になるとこの分泌バランスが崩れ、インスリンの働きを鈍らせて2型糖尿病のリスクを高めることが知られています。
さらに中性脂肪の上昇、HDLコレステロールの低下、血圧の上昇につながり、脂質異常症や高血圧の発症リスクも増加します。
3.3. 動脈硬化から心筋梗塞・脳梗塞へ
これらの代謝異常が長期間続くと、血管壁にダメージが蓄積し、動脈硬化が進行します。
動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる疾患の土台になります。
「痩せているから大丈夫」という油断こそ、もっとも危険な思い込みのひとつです。
3.4. 加齢でサルコペニア肥満へ進行する危険
隠れ肥満の状態のまま何もせずに年齢を重ねると、筋肉量はさらに減少し、基礎代謝もいっそう低下します。その結果、サルコペニア肥満へと進行しやすくなります。
サルコペニア肥満は、通常の肥満よりも歩行能力の低下や転倒・骨折、要介護のリスクを高めることが知られています。[厚生労働省 e-ヘルスネット「サルコぺニア」]
4. なぜ隠れ肥満になるのか──4つの主な原因

隠れ肥満は「たまたま体脂肪率が高い」わけではありません。必ず、生活習慣に原因があります。主な要因を4つに整理します。
4.1. 極端な食事制限ダイエットの後遺症
炭水化物を極端にカットする、単品だけを食べ続けるといった偏ったダイエットは、一時的に体重を落とす一方で、筋肉量も同時に削り取ります。
その結果、基礎代謝が低下し、リバウンドした際には以前よりも脂肪の比率が高い身体になってしまいます。若い頃に何度も無理なダイエットを繰り返してきた方に、隠れ肥満は多く見られます。
4.2. 運動不足と長時間の座位生活
デスクワーク中心の生活では、座っている時間が長く、日中の消費カロリーが慢性的に不足します。運動習慣がなく、通勤以外ほとんど歩かない生活では、体重が増えていなくても、筋肉が徐々に減り、脂肪が静かに蓄積していきます。
4.3. 加齢による筋肉量・基礎代謝の低下
筋肉量は中年期以降、何もしなければ徐々に減少することが知られています。
基礎代謝は筋肉量と強く相関するため、同じ食事量でも年齢を重ねるほど脂肪は増えやすくなります。
特に40代以降は、意識的に筋肉を維持する取り組みが欠かせません。
4.4. 糖質・脂質に偏った食生活
コンビニ食や外食中心の食事、甘い飲料や菓子の日常的な摂取は、タンパク質・ビタミン・ミネラルが不足しがちな一方で、エネルギーは過多になりやすい組み合わせです。
筋肉を維持する材料(タンパク質)が足りず、脂肪になりやすい糖質・脂質ばかり増えていく構造が、隠れ肥満を進行させます。
以下のコラムでも、本質的な食事習慣について解説しています。
医療 × 運動 × 栄養の観点から考える、「本質的なダイエット」の話5. 医師監修で解説|隠れ肥満を改善する3本柱

隠れ肥満の本質は「筋肉が少なく、脂肪が多い」という身体の組成の問題です。
したがって改善の方向性は、筋肉を増やす/内臓脂肪を燃やす/筋肉を作る栄養を整えるという3本柱に集約されます。
一時的に体重を減らすことではなく、体組成そのものを変えることが重要です。
5.1. 筋力トレーニングで基礎代謝を底上げする
筋肉は、24時間エネルギーを消費する「燃焼炉」のような組織です。
筋力トレーニングによって筋肉量を維持・増加させることは、基礎代謝を引き上げ、太りにくい身体の土台を作ります。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人・高齢者ともに週2〜3回のレジスタンス運動(筋力トレーニング)を行うことが推奨されています。
筋トレによって筋力や身体機能、骨密度が改善することが多数の研究で示されており、隠れ肥満改善の柱となります。
日常のおすすめは、自重でできるスクワット・プランク・ヒップリフトなど、大きな筋肉を使う種目です。
5.2. 有酸素運動で内臓脂肪を直接燃焼する
内臓脂肪は、皮下脂肪と比べて運動によって減らしやすい性質があります。
[厚生労働省 e-ヘルスネット「内臓脂肪減少のための運動」]では、系統的レビューをもとに、運動だけで内臓脂肪を減らすためには、少なくとも週10メッツ・時以上の有酸素性運動を加える必要があると報告されています。
具体的には、以下のいずれかが目安になります。
- 早歩き(約4メッツ)で週150分(1日30分×5日)
- ジョギング(約6〜7メッツ)で週90分前後
- 水泳(強度により6〜8メッツ)で週90分前後
「20分以上継続しないと脂肪が燃えない」とよく言われますが、現在の研究では、細切れでも合計時間が増えれば効果が期待できることが分かっています。
まずは1日のトータルで30分歩くことを目標にすると継続しやすくなります。
5.3. タンパク質多めの食事設計で筋肉を守る
筋肉を維持・増加させるためには、十分なタンパク質摂取が欠かせません。一般的には体重1kgあたり1.0〜1.2g程度(活動量が多い人はそれ以上)を目安に、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品をバランスよく取り入れましょう。
また、血糖値の急上昇を避けるために「野菜→タンパク質→炭水化物」の順で食べる、夜遅い時間帯の糖質摂取を控えるといった工夫も有効です。
なお、以下のコラムで紹介している生活リズムの整え方も、代謝改善に役立ちます。
6. 自宅でできる隠れ肥満改善エクササイズ5選
ジムに通う時間がない方でも、自宅で取り組めるシンプルで効果的なエクササイズを5つ紹介します。

6.1. スクワット(下半身+体幹)
下半身には全身の筋肉の大部分が集まっているため、基礎代謝アップに最も効率的な部位です。
- 足を肩幅程度に開き、つま先はやや外向きにする
- 息を吸いながら、椅子に座るようにお尻を後ろに引き下げる
- 太ももが床と平行になる手前で止める
- 息を吐きながら、ゆっくり立ち上がる
10回×3セット、週2〜3回を目安に行いましょう。
膝がつま先より大きく前に出ないよう意識するのがポイントです。
6.2. プランク(体幹)
体幹全体を鍛え、姿勢の改善とぽっこりお腹の引き締めに役立ちます。
- うつ伏せから肘とつま先で身体を支える
- 頭・背中・お尻・かかとが一直線になるように意識する
- 呼吸を止めず、お腹に力を入れたまま姿勢を保つ
30秒×3セットから始め、慣れてきたら60秒に延長します。
6.3. ヒップリフト(お尻・太もも裏)
座りっぱなしの生活で弱りやすい、お尻と太もも裏を鍛える種目です。
1. 仰向けに寝て、両膝を立てる
2. 息を吐きながらお尻を持ち上げ、肩〜膝が一直線になるようにする
3. お尻の筋肉が締まるのを感じたら、ゆっくり下ろす
15回×3セットを目安に行います。
6.4. 踏み台昇降(有酸素+脚力)
雨の日でもできる手軽な有酸素運動です。階段1段分の段差があれば実施できます。
- テンポよく昇り降りを繰り返す
- 10〜20分×週3〜5回
6.5. ウォーキング(目安:30分/日)
もっともハードルが低く、継続しやすい運動です。姿勢を伸ばし、やや大股で、1分間100歩前後のテンポを意識すると運動強度が上がります。
通勤や買い物のついでに、1日合計30分を目標にしましょう。
これらの運動は、[メディカルフィットネスの考え方]に沿って「身体への負担を抑えながら継続できる」ものを選んでいます。
膝や腰に痛みのある方、持病のある方は、必ず主治医に相談のうえで実施してください。
7. 効率的に改善するならパーソナルトレーニングという選択肢

隠れ肥満の改善は、数週間では完結しません。
体組成を変えるには、最低でも3〜6ヶ月の継続的な取り組みが必要です。
自己流では「正しいフォームができているか分からない」「何をどの順番でやればいいか迷う」「続けるモチベーションが保てない」といった壁に直面しがちです。
こうした課題を解決するのが、医師監修のメディカルフィットネスという選択肢です。
五反田のパーソナルジムsazanamiの特徴
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- 体組成測定をもとに、筋肉量・体脂肪率・ウエスト周囲径の変化を数値で追跡
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- 東京都品川区西五反田7丁目16-3 東京モリスビル第10 2階
- 営業時間:
- 09:00 ~ 22:00 (予約状況により変動)
- 定休日:
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