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Vol.05

血圧を下げる運動とは?——医師が解説する、続けやすく安全な運動習慣のつくり方

公開日:2026.03.08 / 更新日:2026.03.08

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全て医師が執筆しております。

株式会社Sazanami代表取締役 大原 啓一郎

[ 執筆者 ]

株式会社Sazanami代表取締役

大原 啓一郎

脳神経外科専門医
脳神経血管内治療専門医
日本医師会認定健康スポーツ医

予防医療と運動療法の普及に取り組む。運動と医療を、もっと身近に。心地よく通える空間で、自然と健康になれる場を作りたい。そんな想いから、
フィットネスブランド「sazanami」を立ち上げた。

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「血圧が高めですね」「運動をしましょう」「もう少し様子を見ましょう」——

健康診断でそんなふうに言われて、少し気になったことはありませんか?

高血圧は自覚症状が乏しい一方で、将来の脳卒中・心臓病・腎臓病のリスクを高める病気です。高血圧治療の基本は、減塩や運動を含む生活習慣の改善と薬物療法にあります。 

本記事では、高血圧の基礎知識から、放置によるリスク、そして血圧管理の中心となる運動習慣のつくり方までを、わかりやすく解説します。
あわせて、医療とフィットネスをつなぐsazanamiのサポート体制や、一定の条件を満たしたジム利用料が医療費控除の対象となる仕組みについても紹介します。 

「血圧を改善したいけれど、何から始めればいいかわからない」という方に向けた、実践的な記事です。

1.  はじめに:医師として伝えたい、予防の大切さ

医師として日々患者さんと接する中で、強く感じることがあります。
それは「予防が最良の治療である」ということです。
特に脳神経外科医として脳卒中の患者さんを診てきた経験から、高血圧を放置しないことの大切さを何度も実感してきました。
脳卒中は日本人の死因の第4位で、寝たきりや介護が必要になる主な原因の一つです。
高血圧は、そうした脳卒中や心臓病、腎臓病などの発症リスクを高める病気として知られています。 

一方で、高血圧は生活習慣の見直しによって改善を目指せる病気でもあります。
なかでも運動は、血圧管理の重要な柱です。
ただし、運動が薬を完全に置き換えるとは限りません。
日本高血圧学会は、生活習慣の改善で血圧は下がる一方、目標血圧に達するために多くの高血圧患者では2種類以上の降圧薬が必要になるとしています。
運動は「薬の代わり」と考えるより、「治療を支える大切な土台」と捉えるのが正確です。  

(出典:日本高血圧学会 高血圧の10のファクト https://www.jpnsh.jp/10_facts.html)

2. 高血圧とは何か ——医学的背景

高血圧は、診察室で測った血圧が140/90mmHg以上の場合に診断されます。
家庭血圧では、5〜7日間の平均で135/85mmHg以上が目安です。
正常血圧は、診察室血圧で120/80mmHg未満とされています。
家庭で測る血圧は診察室より低い基準が用いられ、診断や治療の判断に役立つ大切な情報です。 

高血圧はとても身近な病気で、厚生労働省のe-ヘルスネットでは、20歳以上の国民のおよそ二人に一人が高血圧とされています。
血圧が高い状態が続くと、血管への負担が増え、脳卒中、心筋梗塞、心不全などのリスクが高まります。
自覚症状が乏しいまま進むことも多いため、健診と家庭血圧の記録が重要です。

高血圧診断基準の表

3.  運動が血圧低下をもたらす理由

運動、とくに有酸素運動には、血管を広がりやすくし、自律神経のバランスを整える働きがあり、これが血圧低下につながります。
習慣的な運動による降圧効果は、一般に収縮期血圧で2〜5mmHg、拡張期血圧で1〜4mmHg程度とされ、高血圧患者では有酸素運動によってさらに大きな低下が期待されています。
血圧は一度の強い運動で大きく変えるものではなく、無理のない運動を続けることで、少しずつ改善を積み重ねていくものです。

(出典:健康日本21アクション支援システム) 

4.  血圧を下げる3つの運動方法

4.1. 有酸素運動

有酸素運動の画像

血圧管理の中心になるのは、有酸素運動です。
速歩、ステップ運動、ジョギング、ランニング、水中歩行、自転車こぎなどが代表的です。
強さの目安は「ややきつい」と感じる中等度で、息が切れすぎず、ある程度会話ができるくらいが適切です。
高強度の運動は血圧上昇が大きくなりやすいため、高血圧のある人には勧められていません。
時間は、できれば毎日30分以上、あるいは1回10分以上の運動を積み上げて1日40分以上が目安です。
まずは軽め・短めから始め、慣れてから少しずつ増やしていきましょう。

4.2. 筋力トレーニング(レジスタンス運動)

筋トレの画像

筋力トレーニングは、高血圧の運動療法では「補助的に組み合わせる」位置づけです。
筋力トレーニング単独では明らかな降圧効果は期待しにくい一方、有酸素運動と併用することで、将来のフレイルやサルコペニアの予防に役立ちます。
高血圧の人向けの標準的な運動プログラムでは、軽い負荷で10〜15回、1〜2セット、週2〜3回が目安とされ、例としてチェストプレス、ラットプルダウン、レッグプレス、ハーフスクワットなどが示されています。筋トレ中は息を止めないことが大切です。 

4.3. ストレッチと柔軟性運動

ストレッチの画像

ストレッチは、血圧を下げる主役というより、有酸素運動を安全に続けるための大切な補助です。
日本高血圧学会の一般向け解説では、レジスタンス運動やストレッチ運動は補助的に組み合わせることが勧められています。
準備運動や整理運動として取り入れることで、関節の動きを保ち、体を動かしやすくし、運動習慣の継続にもつながります。
高血圧の運動療法は、まず有酸素運動を中心に考え、そのうえでストレッチを無理なく加えるのが基本です。  

5. 効果を出すための運動習慣の作り方

大切なのは、最初から完璧を目指さないことです。
まとまった時間が取れない日でも、階段を使う、近い距離は歩く、掃除や片付けをこまめに行うなど、日常生活の中で身体活動量を増やすことが勧められています。
運動前後の血圧を記録し、家庭血圧の変化を見ながら続けると、体調管理にも役立ちます。
家庭での血圧測定は、高血圧の診断と治療に役立つと日本高血圧学会も示しています。 

また、高血圧の改善は運動だけで完結するわけではありません。
減塩、適正体重の維持、節酒、禁煙などを組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
さらに、虚血性心疾患や心不全などの心血管合併症がある人では、運動療法の可否を事前に確認することが大切です。
運動を始める前に主治医に相談し、自分の状態に合った運動量を決めましょう

6. 予防医療の観点から

血圧を下げる意義は、数字を整えることそのものではありません。
将来の脳卒中や心臓病を防ぐことにあります。
日本高血圧学会は、収縮期血圧を10mmHg下げると、脳卒中や心臓病が約2割減少すると示しています。
毎日少しずつでも体を動かすことは、将来の大きなリスクを下げるための、現実的で続けやすい予防策の一つです。

7. sazanamiのウェルネスサポート

sazanamiの内装画像


sazanamiでは、運動を「一時的に頑張るもの」ではなく、「無理なく続けられる生活習慣」として身につけることを大切にしています。
心地よい空間で、目的に合わせたオーダーメイドのトレーニングを行うことで、一人ひとりに合わせた運動習慣づくりをサポートします。

大切なのは、強い負荷を一度にかけることではなく、続けられる形でからだを動かすことです。
しずかな波のように、無理のない習慣を積み重ねることが、将来の健康につながっていきます。

sazanamiのサービスについて

8. 医療費控除で、フィットネスを”あした”への優しい投資に

sazanamiの各店舗は、厚生労働省の定める基準に基づき、「指定運動療法施設」としての認定取得を順次進めています。

パーソナルトレーニング料金は「医療費控除」の対象となります。

医療費控除の年収別還付金イメージ

・年収800万円の方の例
9000円/回のチケットで年間52回利用した場合、約12万円の還付金が得られ、実質料金は約6665円/回となります。

「運動しなきゃ」とわかっていても、つい後回しになりがちな自分の健康。

sazanamiでは、フィットネスを”あした”の自分への投資として続けられる仕組みをご用意しています。
(※当施設は「指定運動療法施設」認定の取得を予定しており、医療費控除制度の対象となるよう制度準拠で運営しています。現時点では制度適用外となりますが、準備が整い次第ご案内いたします。)

医療費控除について

9. まずは、自分に合った一歩から始めませんか?

sazanamiでの個別カウンセリング画像


血圧の改善で大切なのは、無理をして頑張ることではなく、今の自分に合った方法を見つけて、無理なく続けていくことです。
とはいえ、「何から始めればいいのかわからない」「自己流で進めてよいのか不安」と感じる方も少なくありません。

sazanamiでは、医師の視点をふまえながら、トレーナーや管理栄養士と連携し、一人ひとりの体力や生活習慣、既往歴に合わせたウェルネスサポートを行っています。
健診結果が気になっている方や、これから運動習慣を身につけたい方が、必要に応じて主治医とも相談しながら、無理のない形で最初の一歩を踏み出せるようお手伝いします。

「血圧を見直したい」「将来の脳卒中や心臓病のリスクに備えたい」「自分に合った運動習慣を始めたい」と感じた方は、まずはお気軽にご相談ください。
無理なく続けられる健康習慣を、sazanamiと一緒につくっていきましょう。

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血圧に関するよくある質問

  • 高血圧の薬を飲んでいますが、運動しても大丈夫ですか?

    多くの場合、運動は高血圧管理に役立ちますが、場合によっては、開始前に主治医へ相談することが必要です。特に、診察室血圧が180/110mmHg以上のⅢ度高血圧では、まず降圧してから運動療法を行うことが勧められています。薬の減量や中止は自己判断で行わず、必ず主治医と相談してください。

  • 年齢が高くても始められますか?

    年齢に応じて内容を調整すれば、取り組むことは可能です。厚生労働省の標準的な運動プログラムでは、高齢者にも成人向けプログラムのポイントの多くが当てはまり、有酸素運動に筋力トレーニング、さらにバランス運動を加えた運動が効果的とされています。体力や持病に合わせて、無理のない強度から始めましょう。

  • 運動直後に血圧が上がることがあります。大丈夫でしょうか?

    運動中や直後に血圧がある程度上がること自体はありますが、高強度の運動では上昇が大きくなりやすいため、高血圧のある人には中等度の運動が勧められています。準備運動と整理運動を十分に行い、無理な強度にしないことが大切です。不安がある場合は、運動前後の血圧を記録して主治医に相談してください。

sazanamiのコラムは
全て医師が執筆しております。

株式会社Sazanami代表取締役 大原 啓一郎

[ 執筆者 ]

株式会社Sazanami代表取締役

大原 啓一郎

脳神経外科専門医
脳神経血管内治療専門医
日本医師会認定健康スポーツ医

予防医療と運動療法の普及に取り組む。運動と医療を、もっと身近に。心地よく通える空間で、自然と健康になれる場を作りたい。そんな想いから、
フィットネスブランド「sazanami」を立ち上げた。

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Access/Information

店名:
sazanami Gotanda | Personal Fit
住所:
東京都品川区西五反田7丁目16-3 東京モリスビル第10 2階
営業時間:
09:00 ~ 22:00 (予約状況により変動)
定休日:
木曜日
アクセス:
・五反田駅 徒歩約7分
・不動前駅 徒歩約9分

・大崎広小路駅 徒歩約5分
連絡先:
company@sazanamifit.jp