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Vol.01

医療費控除の対象になる「運動療法」とは?─メディカルフィットネスの可能性

公開日:2025.11.08 / 更新日:2025.12.23

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医療費が下がっていくグラフが表示されたPCのイメージ

sazanamiのコラムは
全て医師が執筆しております。

株式会社Sazanami代表取締役 大原 啓一郎

[ 執筆者 ]

株式会社Sazanami代表取締役

大原 啓一郎

脳神経外科専門医
脳神経血管内治療専門医
日本医師会認定健康スポーツ医

予防医療と運動療法の普及に取り組む。運動と医療を、もっと身近に。心地よく通える空間で、自然と健康になれる場を作りたい。そんな想いから、
フィットネスブランド「sazanami」を立ち上げた。

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医師が運動を「処方」する時代が、いま現実のものになりつつあります。本記事では、医療の一部として位置づけられる「運動療法」と、その実践の場として注目される「メディカルフィットネス」について解説します。

さらに、ジムにかかる費用を医療費控除の対象として軽減できる制度や、その条件・手続きについても詳しく紹介します。「健康のために運動を始めたいけれど、続けられない」「ジムの費用が高くて迷っている」そんな方に向けて、医療と運動をつなぐ新たな選択肢をお届けします。

1. 運動療法とは?医療の中での運動の役割

1.1. 運動療法の定義と役割

運動療法は、医師や専門職が個々の健康状態に合わせて処方・指導する、「医療の一部としての運動」です。血糖値や血圧、コレステロール、筋力や心肺機能など、体全体の働きを整える効果が科学的に証明されています。これまで、生活習慣病に対しては、薬による治療が中心とされてきました。しかし、近年では医療費の増大や高齢化といった課題から、予防医療への関心が高まり、運動療法や食事療法など、生活習慣そのものにアプローチする治療法」の重要性がますます注目されています。

出典:厚生労働省HP
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/exercise/ys-086

1.2. “Exercise is Medicine”:世界が認めた新常識

「薬の前に、運動を処方する。」そんな時代が、始まっています。

“Exercise is Medicine(運動は薬)”という言葉をご存じでしょうか?2007年にアメリカスポーツ医学会
(ACSM)が提唱した言葉です。「薬の前に運動を処
方しよう」という考えのもと、世界40カ国以上が医療と運動の連携を推進しています。



実際、筆者(大原)も軽症の高血圧や脂質異常症の方に対しては、まず初めに運動をきっかけとした生活習慣改善をお勧めしています。運動は、単にダイ
エットにつながるだけでなく、医学的根拠に基づいた「治療」としての効果が期待できる手段です。

今後は、「運動処方箋」や「メディカルフィットネス」といった仕組みを整備し、医療と日常をつなぐインフラが求められています。

“Exercise is Medicine”という考え方は、これからの日本の医療にとって欠かせない柱の一つであり、健康寿命を延ばすための重要なアプローチです。

出典:日本臨床運動療法学会
https://eimj.jp/

2. メディカルフィットネスとは?

トレーナーがトレーニング指導をしている風景

2.1. 医療と運動がつながる“新しいフィットネス”

「メディカルフィットネス」とは、医療の視点を取り入れた運動指導のこと。  医療機関が運営する施設だけでなく、医師の監修や連携体制があるジムやトレーニング施設も含まれます。

言葉の定義はやや曖昧ですが、共通しているのは「病気予防や健康維持を目的とした、安全で効果的な運動支援」である点です。

公益財団法人 日本メディカルフィットネス研究会の定義(一部抜粋)

  • 狭義:医療機関が母体の施設(例:医療法第42条に基づく疾病予防運動施設)
  • 広義:医療的要素を取り入れた運動施設(例:医師と連携するパーソナルジムなど)

つまり、医師の関与や医療との連携があるかどうかが、「メディカルフィットネス」と呼べるかどうかの基準になります。

出典:日本メディカルフィットネス研究会
https://www.medical-fitness-jp.com/medical-fitness/

2.2. メディカルフィットネスの機能

メディカルフィットネスは、ただの“運動施設”ではありません。疾患の予防や再発防止、治療の補助まで含めた医療的アプローチのある運動施設です。

[ 主な対象施設やサービスの例 ]

  • 医療機関内のリハビリ室やデイケア施設
  • 医療法42条施設
  • 健康増進施設
  • 指定運動療法施設
  • 医療連携型のパーソナルジムや公共運動施設 など

これらの施設では、医師や健康運動指導士の支援のもと、以下のような個別プログラムが提供されます。

  • 病歴や健康状態に合わせた安全な運動処方
  • 疾病の予防・改善・再発防止を目的とした継続的な運動習慣の構築

日本では高齢化や医療費増大が進む中、「医療×運動」による健康寿命の延伸が課題とされています。その中核となるのが、この「メディカルフィットネス」です。

3. 医療費控除が使えるジムがある?
─“運動が控除対象”になる条件とは

医師がデータに基づき運動療法プログラムを説明する個別カウンセリング風景

「健康のためにジムに通いたいけど、費用が気になる」そんな方にとって、“医療費控除が使えるジム”は注目の選択肢です。実は、医師の指導を受けた上で、特定の条件を満たせば「ジム代」が医療費控除の対象になります。ここでは、その仕組みや利用条件をわかりやすく解説します。

3.1. 医療費控除とは?

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額
(10万円もしくは所得の5%)を超えた場合、確定申告で税金の一部が還付される制度です。病院の診察費や薬代はもちろん、一定の条件を満たせば「運動療法のためのジム代」も対象になります。

出典:国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/04_1.htm

医療費控除についてはこちら

3.2. ジム代が控除対象になるための条件

ジム代を医療費控除の対象とするには、以下の2つを満たす必要があります。

  1. 「指定運動療法施設」として国の認定を受けたジムを利用している
  2. 医師が発行した「運動処方箋」に基づいてジムを利用している

3.2.1.  指定運動療法施設とは

指定運動療法施設とは、厚生労働大臣が認定する健康増進施設の中でも、医師の指示に基づく運動療法を安全に実施できる体制が整っているジムのことです。

[ 主な条件 ]

  • 医師・医療機関とのネットワーク
  • 健康運動指導士などの有資格者の配置
  • 適切な記録管理や安全対策

出典:日本健康スポーツ連盟
https://www.kenspo.or.jp/nintei/

3.2.2.  運動処方箋とは?

運動処方箋のイメージ

「運動処方箋」とは、医師が患者に対して「運動療法が必要」と判断した際に出す“運動の指示書”です。

高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病はもちろん、不眠・頭痛・抑うつ・慢性疲労といった、働きすぎやライフスタイルに起因する不調に対しても、発行されることがあります。ただし、この「必要性」の判断は医師ごとに異なるため、同じような症状でも運動処方箋が発行されるかどうかは、医師の運動療法に対する理解や関心によって左右されます。

制度の認知度はまだ低く、現実的に全ての医師が対応できるわけではありません。sazanamiでは、運動処方箋に理解のある医師との連携体制を整えており、初めての方でもスムーズにご相談いただけます。

提携医療機関についてはこちら

3.2.3. 医療費控除の手続き

ジム代を医療費控除の対象として申告するためには、以下のステップを踏む必要があります。

  1. 医師に「運動処方箋」を発行してもらう
  2. 「指定運動療法施設」に認定されたジムを利用する
  3. 年末までに、医師に「運動療法実施証明書」を発行してもらう
  4. 確定申告時に証明書+領収書を提出する

この手続きを経ることで、支払ったジム代の一部が還付されます。なお、提出書類の詳細や還付額は、ご自身の所得や家族の医療費の状況によって異なりますので、税務署または専門家に確認するのがおすすめです。

3.3. 医療費控除でどれくらいお得になる?

sazanamiを年間52回利用した場合の医療費控除イメージ
sazanamiを年間104回利用した場合の医療費控除イメージ

1回9000円のチケットを購入し、週1回ペース、週2回ペースで通った場合の費用イメージをグラフにまとめました。

例えば…
• 週1回ペース・年収600万円の場合
 → 約11万円還付、実質1回6,877円。
• 週2回ペース・年収1,000万円の場合
 → 約36万円還付、実質1回5,544円。
このように、利用回数や支払い金額が多いほど、また年収が高いほど、還付額が増え、実際のご負担を軽減することができます。
この制度を活用すれば「続けやすく、経済的に優しいフィットネス」が実現できます。

医療費控除の還付額は、所得、ご家族の医療費状況、保険金などにより異なります。あくまで目安としてご理解ください。

医療費控除計算ツールはこちら

4.  まとめ|“医療×運動”で、心と体を無理なく整える

sazanami Gotanda | Personal Fitは「指定運動療法施設」としての認定を申請中です。(2026年1月時点)

sazanamiの大きな特長は、医師が経営に関わり、内科・レディースクリニック・健康診断クリニックと密に連携していること。
運動処方箋の発行から、トレーニングの実施、生活習慣の改善まで、医療の視点からフィットネスを提供する体制を整えています。

かかりつけ医のいない方もご安心ください。
sazanami提携医療機関をご紹介し、スムーズな運動処方箋発行をご案内します。

「運動しなきゃ」と思いながらも、忙しさの中でつい後回しにしてしまう、自分の健康。

sazanamiでは、心地よい空間と医師・Wellness
Coach・管理栄養士によるサポートのもと、運動を“義務”ではなく“未来への贈り物”としてお届けしています。

しずかな波が、あしたを変える。

あなたの日常に、sazanamiという選択肢を。

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医療費控除に関するよくある質問

  • 医療費控除とは何ですか?

    医療費控除とは、ご自身やご家族の医療費が一定額(10万円もしくは所得の5%)を超えたとき、確定申告をすることで、払いすぎた税金の一部が戻ってくる仕組みです。sazanamiでの運動療法も対象になるため、健康づくりへの投資を、経済的にもサポートする制度です。(店舗毎に状況が異なります。)

  • 医療費控除を受けるには、どのような手続きが必要ですか?

    医師による運動処方箋の発行、確定申告の手続きが必要です。

    医療費控除について
  • 医療費控除は誰でも使えますか?

    医療費控除は、医師が「運動療法が必要」と判断し、運動処方箋を発行した場合にご利用いただけます。この「必要性」に関しては、不眠・頭痛・抑うつ・慢性的な疲労感など、働きすぎやライフスタイルからくる体調不良の改善を目的とする場合も含まれます。適用の可否はお一人おひとりの状態により異なるため、詳しくはsazanamiスタッフまたは提携医療機関の医師にご相談ください。

  • 医療費控除でどれくらいお得になりますか?

    年収や通う頻度、利用金額等により大きく異なります。sazanamiの医療費控除計算ツールで簡単に試算できますので、是非お試しください。

    医療費控除計算ツール
  • 会社員ですが、確定申告は必要ですか?

    はい。医療費控除を受けるためには、給与所得者でも確定申告が必要です。控除を受けるための証明書類をsazanamiでご案内します。

  • 年末調整では控除されないのですか?

    年末調整では医療費控除の手続きはできません。給与所得者の方もご自身で確定申告を行う必要があります。

  • 医療費控除の手続きで必要な書類は何ですか?

    以下3点が必要です。
    ・医師による「運動処方箋」
    ・「運動療法実施証明書」
    ・利用分の領収書

  • 家族のために使った費用も控除できますか?

    はい。生計を一にするご家族(配偶者・お子さまなど)の医療費も合算して申告可能です。

sazanamiのコラムは
全て医師が執筆しております。

株式会社Sazanami代表取締役 大原 啓一郎

[ 執筆者 ]

株式会社Sazanami代表取締役

大原 啓一郎

脳神経外科専門医
脳神経血管内治療専門医
日本医師会認定健康スポーツ医

予防医療と運動療法の普及に取り組む。運動と医療を、もっと身近に。心地よく通える空間で、自然と健康になれる場を作りたい。そんな想いから、
フィットネスブランド「sazanami」を立ち上げた。

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Access/Information

店名:
sazanami Gotanda | Personal Fit
住所:
東京都品川区西五反田7-16-3 東京モリスビル第10 2階
営業時間:
09:00 ~ 22:00 (予約状況により変動)
定休日:
木曜日
アクセス:
・五反田駅 徒歩約7分
・不動前駅 徒歩約9分

・大崎広小路駅 徒歩約5分
連絡先:
company@sazanamifit.jp